坂道楽曲の魅力はメッセージ性・多様な音楽性・コンセプトの表現性
坂道楽曲の魅力は、歌詞のメッセージ性、多様な音楽性、各グループのコンセプトの表現性です。アイドルファンというと、メンバーを個人推しするイメージが強いかもしれませんが、楽曲やパフォーマンス、衣装のクオリティーの高さと、それらによって作り出されるグループの雰囲気に魅かれている人が多いでしょう。
歌詞のメッセージ性
坂道楽曲は、メッセージ性のある歌詞の曲が多いのが、魅力の一つです。
一般的には、アイドルソングは、恋愛の歌詞が多い傾向があります。
しかし、坂道楽曲は恋愛の歌詞だけでなく、若者の心情を反映した歌詞や、人を応援する歌詞など、テーマが豊富なのが特徴です。
例えば、乃木坂46の「シンクロニシティ」のテーマは「共感愛の輪」、欅坂46の「サイレントマジョリティー」のテーマは「Noを伝える勇気」でしょう。
メッセージ性のある坂道楽曲の歌詞は、身近な理想主義のように感じます。
実社会にある身近な問題を拾い上げて、一人一人がこうなっていったら未来が明るくなるのではないかと、そっと導くような歌詞だと思います。
メッセージ性は、時に、正しい内容であっても、説教臭くなったり押しつけがましい雰囲気になってしまうことがあります。
アイドルという身近な表現者が、ポップな形で社会的なメッセージが込められた楽曲をパフォーマンスすることは、とても意義があるでしょう。
こういったメッセージ性を、綺麗事のように感じる人もいるかもしれません。
私は、綺麗事の歌詞が好きで、聴いていて元気が出たり、自分と同じ考え方に共感する人がいるんだと励まされるタイプです。
現実は綺麗事が成り立たないことばかりですが、作品の中で完結している綺麗事は、現実と少し距離を置く形で、気持ちの源になっているような気がします。
坂道シリーズが成功しているのは、歌詞のメッセージ性が、実社会に欠けているものを埋め合わせているからではないでしょうか?
楽曲の音楽性
坂道楽曲は、音楽性が多様で、個性的な楽曲が多いのも魅力です。
アイドルソングらしい曲調の楽曲もあれば、少し懐かしい平成J-POP調の楽曲や、珍しいメロディーの攻めた楽曲まで、幅が広いのが特徴です。
日本の典型的なアイドルソングは、サビのメロディーが、短いシンプルなフレーズを繰り返す形で、分かりやすいものが多いです。
しかし、坂道楽曲は、メロディーラインが長く複雑な楽曲が多いです。また、イントロがピアノやギターで、アコースティックな印象の楽曲も多いです。曲構成(Aメロやサビなどのパートの構成)も、王道J-POPの曲構成のものもあれば、珍しい曲構成のものもあります。
坂道シリーズは、日本のアイドルグループの中で、一番楽曲の音楽性に力を入れていると感じます。
アイドル文化という商業的な部分はありつつも、多くの音楽家が作曲に関わり、音楽性の挑戦の場になっているといえるでしょう。
アイドルソングという身近なジャンルで、多様な音楽表現に触れられるのは、とても恵まれたことだと感じます。
グループのコンセプトの表現性
坂道シリーズには、複数のグループがあり、それぞれに楽曲や衣装に特色があるのも、魅力です。
坂道シリーズには、コンセプトの異なる3つのグループ(改名して活動を終えた欅坂46を含めると4グループ)があり、それぞれに歌詞のテーマや曲調のらしさがあります。
各グループのコンセプトは、乃木坂46は「清楚」、欅坂46は「クール」、日向坂46は「ハッピーオーラ」、櫻坂46は「凛とした美しさ」です。
そして、各グループの歌詞のテーマは、乃木坂46は「繊細な感性」、欅坂46は「反抗的な意志」、日向坂46は「元気な明るさ」、櫻坂46は「強い意志」を中心としています。
どのテーマも、今の日本に欠けていたり、若者が求めていたりするものではないでしょうか?
また、曲調は、乃木坂46はしっとりとした繊細な楽曲や華やかな楽曲、欅坂46・櫻坂46は疾走感のあるカッコいい楽曲やシリアスな楽曲、日向坂46は元気が出る楽曲や爽快感のある楽曲が多いです。
コンセプトの異なるグループが複数あることで、坂道シリーズ全体として、多様なメッセージの発信を実現できているといえるでしょう。
また、グループごとにメッセージの方向性を統一することで、メッセージ性がより強く伝わる効果もあります。
自分が強く共感できるグループのファンになるという楽しみ方もできるし、坂道グループ全体としてのメッセージや曲調の多様性を楽しむこともできるでしょう。
まとめ
坂道シリーズの楽曲の魅力について記事にしました。
坂道楽曲の魅力は、歌詞のメッセージ性、多様な音楽性、グループのコンセプトの表現性でしょう。
メッセージ性のある楽曲は、アイドル曲はもちろん、J-POPの中でも珍しいと思います。
このようなアイドルグループが成功していることは、今の日本の明るい兆しではないでしょうか?
これからの楽曲も期待しています!